「良性の肥満と悪性の肥満」


昨年の肥満学会演題よりご紹介します。
動脈硬化外来における心血管病301人(心筋梗塞、狭心症、脳梗塞)に
おいて、危険因子(高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙など)、内皮機能、
腹部大動脈石灰化指数やその他の検査を用いて比較検討した報告です。

肥満、非肥満は日本肥満学会基準のBMI25以上か以下かを
基準にしています。

肥満群、非肥満群ともに比べて喫煙は心血管病を有する患者群が
心血管病を有しない群に比べて優位に高かった。
またHbA1c(糖尿病の検査の一つ、高いほど状態が悪いことを示す)が
心血管病群の方が高かった。
他の危険因子に差は無かった。

BMIは正常範囲の患者のCT検査では、心血管病を有する患者群は
明らかにそうでない患者より内臓脂肪が多かった。

この他の検査結果も合わせて、肥満そのものは心血管病の発症因子と
なるが、そうした病態を発症しない「良性の肥満」が存在することがわかった。

参考文献
「良性肥満と悪性肥満」 森平雅彦ら 恵み野病院、旭川医科大学第一内科
2004年第25回日本肥満学会 一般演題2 0-012 

BMIと平均余命についてはBMI25前後の「多少ふっくらした」方が
長生きとの結果も報告されています。
余命に大きな影響を与えると思われる心血管病の見地からの報告は
興味深いものがあります。

むしろBMIが正常でも、内臓脂肪蓄積型の肥満がある場合はこうした
病気の発症率は高くなります。

BMIそのものを減少させることも大事ですが、この報告のように
良性の肥満というものが存在する以上、BMIそのものよりも
内臓脂肪の減少を目標にダイエットを行うことも必要でしょう。

適度な運動と食事、正しい生活習慣を行うことで、内臓脂肪は
皮下脂肪より優先的に減少します。

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